巻頭言
学会によせて
友松 達弥
1
1神戸大学医学部第1内科学教室
pp.175
発行日 1969年3月15日
Published Date 1969/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201998
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学会シーズンが近づいてきました。学会が近づいてくるといつも考えさせられることが2,3あります。ここ十数年来学会は急速にその数を増してきました。そして年間を通じて開催されるようになりました。そのため近年では学会シーズンという表現はもはや不適当となってしまいました。学会の盛況は医学研究の現況の反映である以上欣こばしいことであり,快哉をもって迎えられるべきことでありましょう。しかし反面には憂慮すべき点があります。年間を通じて開催されますがゆえに,"教官不在の医学教育"を結果するとの批判が起こりかねないと思われますし,またはたして研究に従事する余裕が確保できるだろうか,かつまた学会発表に値する研究の成果がかくも迅速かつ大量に得られるものだろうかなどの疑念も起こりかねません。春の学会に対して秋に総合的な学会をという声が起こりましたのも既に久しいことですが,実現した地方があると聞きますが未だ全国的な規模ではとりあげられていません。是非実現したいものと思います。
一方,学会はその規模の大小は様々です。概ねその包含する領域によると思われます。そして会員数が運営上の決定的要因となりましょう。そのこと自体問題はありません。学会は年一回総会を開催して学術講演会を持つことになっています。この総会の開催にはいくつかの間題があります。
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