特集 自動化臨床検査法
自動化のフィロソフィー
高原 喜八郎
1
1日本専売公社東京病院検査科
pp.1173-1176
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542908270
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自動化(正確には臨床検査自動化)のフィロソフィーというテーマを与えられた.本特集において総論,各論といった従来の取り扱い方の他に,特にフィロソフィーとかその他の項を設けられた編集委員会の‘編集のフィロソフィー’に深い敬意を表したい.それは何事によらず,およそ人類社会に深く定着している事がらにはすべてそれぞれのフィロソフィーを論ずる立場があり,特に臨床検査自動化という巨大な命題をめぐっては,つたない筆者のペンでは表現しきれないほどの膨大なフィロソフィー的な問題が山積し,また幾多の専門の方々にはそれぞれの独特なフィロソフィーを論じられていることからも本テーマの重要性が理解されるのである.
さてフィロソフィー(Philosophy)ということばは念のためにWebsterなどを参照すると‘love of wisdom’哲学と訳され,‘知恵または知識を愛好し探求すること’であり,また,‘中世の大学における高等の学術としての自然科学,道徳哲学,形而上学の3部門を含む’とある.あるいは認識の本質,善悪の原理および価値の原理についての研究(哲学)とも定義されている。そして欧米における学位がM.D.(Doctor of Medicine)とPh.D.(Doctor of Philosophy)その他に大別されて,その中でも自然科学から人文科学までの最も広い分野にまたがっているのがこのPh.D.であることはよく知られている.
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