Japanese
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講座
妊娠時の循環呼吸変化
Changes of Circulation and Respiration on Pregnancy
友松 達弥
1
,
猪尾 力
1
Tatsuya Tomomatsu
1
,
Tsutomu Inoh
1
1神戸大学医学部第一内科
11st Department of Internal Medicine, School of Medicine, Kobe University
pp.863-868
発行日 1968年10月15日
Published Date 1968/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201946
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はじめに
妊娠分娩は一つの生理的現象であるが,これに伴う種種の内部環境の変化は循環呼吸面にもかなりの影響を与え,特に妊婦が心疾患を有している場合には妊婦,胎児に与える負担のために,その管理に特別の考慮が払われなければならない。心疾患妊婦の死亡率は,かつてはかなりの高率であって,近代循環器病学の発達とともに妊娠時の循環動態についても多くの検索が行なわれ1)〜3),心疾患妊婦の妊娠継続,分娩の可否についてある程度の正確な判断が下せるようになってきた。多くの循環呼吸変化は妊娠による内分泌機能の変化と,胎児発育子宮増大による機械的な影響などによるとされ,また血行動態は動静脈瘻におけるそれと類似しているともいわれる。以下正常妊娠分娩に伴う循環呼吸変化および心疾患妊婦の取り扱いに関して諸家の文献を参考に述べる。
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