Japanese
English
装置と方法
トノメーターとその臨床肺機能検査への応用
Tonometer for Pulmonary Function Tests
横山 哲朗
1
Tetsuro Yokoyama
1
1慶応義塾大学医学部内科学教室
1Department of Medicine, School of Medicine, Keio University
pp.241-245
発行日 1968年3月15日
Published Date 1968/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201880
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はじめに
血液の酸素容量の測定に,あるいは血液のO2, CO2解離曲線をつくるために呼吸生理学においてトノメーターは重要な役割を果たしてきた。近年臨床肺機能検査でも血液ガス分圧のO2またはCO2電極による測定が普及し,ガスクロマトグラフィーが広く行なわれようとするようになるにつれ,較正用のトノメーターの便利なものが要望されるようになってきた。
従来のトノメーターを較正用に転用することは色々な点で不便が多い。たとえば,従来のトノメーターでは一回に平衡させうる血液量が少なかったり,一旦平衡した血液を採取すると残りはcontaminationのためはじめから時間をかけて平衡しなおさねばならなかったり,あるいは一度に数種類のガスで平衡させることができないものなど,不便なものが少なくなかった。
また,血液をガスで平衡させるのには温度をきわめて高い精度で一定に保つ必要がある。従来の恒温槽はレギュレーターを用いたON-OFFシステムを採用していたが,この方式では温度のfluctuationをある範囲内にとどめることは難かしい。
ここに紹介するFarhiトノメーターは,呼吸生理学研究用に工夫されたもので,原理そのものは一向に新しい点はない。使用に便利であり,十分な精度をもつよう改良を重ねて完成された装置である。
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