Japanese
English
装置と方法
トノメーター
Tonometer.
高木 康
1
,
太田 保世
1
Yasushi Takagi
1
,
Yasuyo Ota
1
1慶応大学医学部内科
1Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University.
pp.373-377
発行日 1965年5月15日
Published Date 1965/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201448
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はじめに
トノメーター(tonometer)とは元来張力を測る用共を意味し,眼科領域では眼球内圧を測ることをtonometryと呼んでいる。しかしながら呼吸生理とくに血液ガスの生理学的研究に用いられるトノメーターは,その正確な定義は明らかでないが,一応"既知のガス張力(分圧)をもつ血液をつくる装置"という意味に理解してよいと思う。
血液ガスの生理を研究する場合に,既知のガス張力をもつ血液をつくる技術がいかに重要であるかは,あらためて説明するまでもないと思われるが,従来,酸・塩基平衡や,酸素・血色素平衡の研究,各種気体の血液に対する溶解度の測定などのさい,つねに必須の手段として用いられ,多くの貢献をしてきたことはよく知られている。また最近,白金電極を用いたポーラログラフによって血液のPo2を測定する方法が一般化されるに伴い,酸素電極の較正の正否が,血液Po2測定の精度を直接左右するので,酸素電極較正用トノメーターの必要性が増加している。もちろん,白金電極の較正に混合ガスを用いることが一応許容される場合もあるが,この点についてはまだ多くの異論もあり,酸素電極の正しい較正はトノメーター血(tonometered blood)によるべきであるとする意見が多い20,21)。
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