Japanese
English
臨床
呼吸困難
Dyspnea
藤本 淳
1
Kiyoshi Fujimoto
1
1大阪府立成人病センター
1Center for Adult Diseases, Osaka
pp.939-942
発行日 1967年11月15日
Published Date 1967/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201837
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はじめに
呼吸困難および息切れは,主訴として日常臨床で慣用されている用語である。多分,この用語が使用され出したときは痛みと同様に自覚的な感覚を表わすものとして使用されていたのであろう。しかし近年の心肺機能に関する病態生理学的な研究を基盤として,客観的に把握しようとする見解もみられるようになった。これらの事実を総合すると呼吸困難および息切れに関して明確な定義が困難であることを示している。これに対して呼吸困難をbreathlessness, respiratory difficultyおよびshortness of breathを意味するもので,肺機能障害を客観的にみとめる場合とし,息切れをdyspneaとして自覚症状すなわちventilatory discomfortを意味するものとすることが,臨床上有用であるとしている者もある。用語の使い分けはさておいても,呼吸困難を考えるさいに機能面と機能障害の覚認とを判別した考え方は臨床上大切なことであろう。
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