巻頭言
局所肺機能と放射線
楢林 和之
1
1神戸大学医学部放射線科
pp.823
発行日 1967年10月15日
Published Date 1967/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201823
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昨年の初夏にこの地のK社より多素子マルチスケーラーを得,以来今日まで頻用している。これが出来上がるまでには種々の条件を注文し,予算額ともにらみ合わせながら十分ではないが少なくとも必要な条件を満足しえたと確信した。しかし実際に使ってみると意外に不便をかこつ点が諸所に生じてきた。400チャネル波高分析器の改良による4素子マルチスケーラーであるが,○の関係で波高分析回路は後回しにした。計数間隔は1/100秒とし,急速な現象を把握するよう配慮しておいた。ところが実際にこれを短時間で記憶オシロコープに把えてみると,統計的誤差が大きく,投与アイトープ量を増加させねばならぬことを知った。また本装置にdigital-analog converterを併設すれば,analog型の表示も可能となりfull countの設定がきわめて容易となり,大量のRI投与を必要とする迅速な変化の測定とともに,少量のRI投与量でよい緩除な変化も相互に継続測定することができることを知得するにいたった。このような経験は昭和38年の第16回日本医学総会講演で発表した肝臓の断層シンチスキャニング開発後にもみられる。
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