今月の主題 肺機能検査から疾患肺へ
各種肺疾患と機能検査
慢性気管支炎
中島 重徳
1
,
津谷 泰夫
2
Shigenori NAKAJIMA
1
,
Yasuo TSUYA
2
1近畿大学医学部・第4内科
2近畿大学医学部・内科
pp.2058-2060
発行日 1981年12月10日
Published Date 1981/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217536
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慢性気管支炎という疾患は古くから知られているが,現在でもその診断基準について不鮮明な点が残っており,新しい興味ある問題を含んでいる.
それは,本症の概念がFletcherの定義で代表されるように,患者の問診に基づいた症状を主体とした診断であること,病期により幅広い病像を呈すること,onsetがはっきりしないこと,他疾患との合併が少なくないことなどによる.また,本症は肺機能上あまり特徴的なパターンを示さず,silent zoneといわれている末梢気道病変との関係が深く,とくに初期ではほとんどすべての肺機能検査で異常を示さない.重篤になってはじめて高度の異常値を示すこともあり,その過程では種種のパターンの肺機能障害が認められる.
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