臨床
Sinobronchitis(副鼻腔気管支炎)
粟田口 省吾
1
Shogo Awataguchi
1
1弘前大学医学部耳鼻咽喉科
1Department of Otorhinolaryngology, Faculty of Medicine, Hirosaki University
pp.113-117
発行日 1967年2月15日
Published Date 1967/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201738
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はじめに
sinobronchitis(副鼻腔気管支炎)と呼ばれる一つの徴候群は,上気道,下気道およびその周囲のリンパ節の非特異性慢性炎症が合併したものである。この徴候群については,すでに1900年ごろより,しばしば報告されており,臨床的研究1)〜14)のみならず,その成因などに関する実験的研究15)16)も少なからず行なわれている。
本徴候群の主体となる,慢性副鼻腔炎ならびに慢性気管支炎や気管支拡張症は,各々それ自体,各専門領域において,いずれも重要な疾患として,臨床上あらゆる角度から観察され,治療せられ,また細菌学的,ウイルス学的,あるいは病理解剖学的など基礎的見地から究明されているが,これらの疾患が合併しているときには,関連性のある一つの徴候群として,気道全般にわたる緻密な検査や観察と相互に関連した周到な治療が必要なことはいうまでもない。
以下,はなはだ雑駁であるが,従来経験した本徴候群患者についての臨床的知見を総括して述べてみたい。
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