Japanese
English
臨床
肺疾患患者の術中術後の管理
Management of Surgical Patients with Resplratory Diseases
沼田 克雄
1
Katsuo Numata
1
1東京大学医学部麻酔科
1Department of Anesthesiology, Tokyo University School of Medicine
pp.23-28
発行日 1967年1月15日
Published Date 1967/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201726
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はじめに
外科手術の術中術後を通じて,患者を脅かす最も重大な合併症は,呼吸系ならびに循環系のそれである。とりわけ,従来の脊椎麻酔にとって代り,吸入麻酔や調節呼吸が普及するにつれて,呼吸系管理の重要性が浮彫りにされてきている。術前より肺疾患のある患者ではさらにsurgical riskが大きく,状態管理上問題が多い1)(図1)。
ただし,手術や麻酔がその術中術後をとおして常に呼吸循環に対するintensiveなcareを必要とする点において,また術後の肺合併症をおこす可能性があるという点において.その管理にははじめから肺疾患があろうが,健康肺であろうが,さして本質的な差異はない。また,吸入麻酔の手技自体が,呼吸不全患者の最もinte—nsiveな治療ときわめて類似であるということもあって本稿は内容的には「術中術後の呼吸系の管理」ということに近いものとなろう。
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