特集 呼吸機能の正常値
低濃度および高濃度O2吸入の影響
村尾 誠
1
,
小池 繁夫
1
,
深須 新一郎
1
1東京大学医学部上田内科,中央診療部
pp.820-823
発行日 1966年9月15日
Published Date 1966/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201664
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健常成人に低濃度あるいは高濃度酸素を吸入させたときの影響をしらべた研究報告はきわめて多い。また,潜水あるいは航空技術の進歩とあいまって,高圧あるいは低圧環境下の呼吸機能に関する成績も数多く追加されつつある。しかし,これらの影響を,換気・循環面にわたって総合した報告は乏しく,一方,生体の反応は多彩であるため,条件の異なった報告類を便宜的に組合わせることも妥当でない。今回は,比較的手近に得られる資料を表として羅列してみた。
表1は,低酸素吸入の影響を,酸素濃度段階と,吸入時間別に列挙したものである。酸素濃度が16%以下,分圧65mmHg以下となってはじめて,換気・循環系の変化が明らかとなる。1回換気量・(呼吸数)・毎分換気量ともに増加し,肺血流量・肺動脈圧・脈血管抵抗ともに増加する。
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