徹底分析シリーズ 酸素:でも,酸素は薬?毒?
高濃度酸素投与の生理的影響
丸山 一男
1
,
張 尓泉
1
Kazuo MARUYAMA
1
,
Er-Quan ZHANG
1
1三重大学大学院医学系研究科病態解明医学講座麻酔集中治療学
pp.332-337
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101100070
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
高濃度酸素吸入の生体に及ぼす影響は,酸素中毒が一般的に知られている。特に人工呼吸中の吸入酸素濃度は,高くないほうが望ましいとされる。高濃度酸素吸入による肺傷害が危惧されるからである。しかし,肺以外に対しても,高濃度酸素吸入の影響はある。
本稿では,高濃度酸素の生理学的影響について,循環,酸素消費量,脳循環,換気量,換気血流比への影響を考えてみたい。体血管(脳を含む)は高酸素で収縮し,低酸素で弛緩する。肺血管は高酸素で拡張し,低酸素で収縮する。
Copyright © 2008, "MEDICAL SCIENCES INTERNATIONAL, LTD." All rights reserved.