Japanese
English
短報
リチウムおよびカルバマゼピンの血清カルシウム濃度への影響
Effects of Lithium and Carbamazepine on Serum Calcium Levels in Psychiatric Patients
新開 隆弘
1
,
吉村 玲児
1
,
寺尾 岳
1
Takahiro SHINKAI
1
,
Reiji YOSHIMURA
1
,
Takeshi TERAO
1
1産業医科大学精神医学教室
1Department of Psychiatry, University of Occupational and Environmental Health, School of Medicine
キーワード:
Lithium
,
Carbamazepine
,
Serum calcium level
Keyword:
Lithium
,
Carbamazepine
,
Serum calcium level
pp.197-199
発行日 1998年2月15日
Published Date 1998/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405904493
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カルシウム(Ca)は神経伝達において重要な役割を果たしていると考えられている。我々は,基礎研究(in vitro study)でリチウム(Li)およびカルバマゼピン(CBZ)が細胞内へのCa流入を抑制することを報告した6,8)。臨床研究では,Liが血清Ca濃度を上昇させるといった報告2,5)や変化させないといった報告がある3)。また,CBZに関しては,血清Ca濃度を変化させないといった報告7)やむしろ低下させるといった報告1,4)がある。すなわち,LiおよびCBZの血清Ca濃度に対する影響に関しては,まだ意見の一致がみられていない。
そこで今回我々は,精神科患者を対象にLiとCBZの血清Ca濃度に及ぼす影響について,カルテをもとにretrospectiveに予備的な調査を行ったので,若干の考察を加えて報告する。
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