Japanese
English
症例
呼吸器科領域における副腎皮質ホルモン製剤(ベトネゾール錠)の臨床使用経験と副作用の観察
Observation on the Clinical Experiment and by the Effect with Betnesol Tab. of Respiratory Disease.
家田 光二
1
Koji Ieda
1
1名古屋鉄道病院呼吸器科部
1Dept. of Respiratory Disease, Nagoya Railroad Hospital.
pp.265-268
発行日 1966年3月15日
Published Date 1966/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201573
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I.緒言
かつては結核症疾患に対して副腎皮質ホルモン(副ホと略)を使用することは禁忌とされていたが,近時有効な化学療法の併用下に,抗炎症抗アレルギー作用を有する副ホ剤を使用することは,各種結核症の治療を助長することが確認され,高熱その他の臨床症状の著しいもの,急性粟粒結核,乾酪性肺炎など急性進行性のもの,結核性骨髄炎,結核性心包炎,結核性胸膜炎,結核性腹膜炎に適応が認められている。副腎皮質ホルモン製剤は1946年コーチゾンに始まり,1950年ハイドロコーチゾン,1954年プレドニゾロン,1956年メチルプレドニゾロン,トリアムシノロン,1957年デキサメサゾン,1958年ベーターメサゾン,1960年バラメサゾンが合成され臨床に応用されているのである。今回,ベトネゾール錠を入手したので呼吸器症患者に使用し,既に使用されてきた合成副ホ剤使用時に見られた副作用について,検討する機会を得たので,その成績を報告する。Betnesolは化学名,16—β—methyl−9a-fluoroprednisolone−21—disodium-phos—tateで,分子式C22H28O9FPNa2分子量517である。白色または白色に近い結晶性粉末で,水に易溶性(30%W/V以上)吸湿性があり,光により変化し易く,1錠中にbetamethasone disadium phosphate 0.53mgを含有する。
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