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講座
微細循環における血管抵抗のmechanical factor
Mechanical Factor of Vascular Resistance in the Microcirculation.
長島 長節
1
Chosetsu Nagashima
1
1東京大学・生理学
1Department of Physiology, School of Medicine, University of Tokyo.
pp.125-128
発行日 1966年2月15日
Published Date 1966/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201554
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C.J. Wiggers1)は次のようにいっている。"Katz等の引用した文献をみると,血圧上昇の場合に末梢抵抗が増加していることは明らかである。この場合,血液の粘稠度は増加していないから細動脈の収縮が考えられる。しかし,かならずしもそうとはいえない。著しく高い血圧値を示す場合でも,中等度の血圧値をしめす場合にくらべて末梢抵抗がいつも高いとはいえないことがあるからである。"
周知のように,層流のながれで,流量Qは両端における圧の差Pに比例し,抵抗Rに逆比例する。Q=P/R。一般的には,Q=πr4/8η1(P1−P2)。1は長さ,rは半径。あるいはAloys Müllerにしたがって,横断面積f,流速vでおきかえて,Q=πr2.v。したがってv=r2/8η1(P1−P2).これがPoiseuilleの法則である。ここでは抵抗は次のようになる。8l/πr4・y。この式から明らかなように,抵抗は長さ1,半径rの管の性質によって決定される項8l/πr4の部分と,液の粒子の内部マサツによって決定される項ηの部分によって変化するものである。ηはC.G.S. 単位であらわせば液の粘稠度である。
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