Japanese
English
原著
電気伝導度法による先天性心疾患の診断—Regitin試験について
Diagnosis of the Congenital Heart Disease with Electric Conductivity Method.:Regitin test
種本 基一郎
1
,
猪尾 力
2
,
松本 越生
2
,
小寺沢 正士
2
,
中島 英明
2
,
辰巳 茂
2
,
吉田 浩
2
,
岩崎 忠昭
2
,
正井 純
2
,
前田 輝夫
2
,
岡 清泰
2
,
吉武 桂
2
Kiichiro Tanemoto
1
,
Tsutomu Inoo
2
1神戸労災病院内科
2神戸医科大学友松内科
1Dept. of Internal Medicine, Kobe Rosai Hospital.
2Dept. of Internal Medicine, Kobe Medical College.
pp.319-323
発行日 1965年4月15日
Published Date 1965/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201439
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I.はしがき
従来,著者らは食塩水を指標として稀釈曲線を描く,いわゆる,電気伝導度法1)を用いて各種循環機能検査を行なってきたが,今回は先天性心疾患,ことに短絡を有する心疾患群について検討を行なった。
Stewart-Hamiltonの原理3,4)にもとづく指標稀釈法は,Fick法に比し,簡単,かつ患者への負担が少なく心拍出量の変化を経時的に追求できる利点がある。ことに短絡を有する心疾患群では,末梢静脈へ指標を注入し,末梢動脈で稀釈曲線を描くことによって,ただちに左右短絡の発見が可能であるので,臨床上頻繁に用いられている5〜15)。しかし,安静時のただ一回の稀釈曲線からは,右—左,左—右の短絡の存在を確定することは困難なことが多い。そこで,著者らは二,三の操作をほどこして,末梢動脈圧,肺動脈圧を変動させて,その前後の稀釈曲線を経時的に描くことによって,短絡の存在,および方向,さらに量を経時的に測定する方法を考案した。
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