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文献抄録
重症肺気腫—Lyons, H. A.;Becker, W. H. & Torres, G. E.:Am.J. Med.36(1):62〜67, Jan.1964./後天性肺梅毒—W. Schulte-Brinkmann and R. M. Konard:Zeitsch. für Tuberk., Band 116, Heft 1/3, 143, 1960.
The Management of Severe Pulmonary Emphysema./Die erworbene Lungenlues.
pp.633,653
発行日 1964年9月15日
Published Date 1964/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201358
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16例の閉塞性重症肺気腫の治療経験。ガス交換・肺胞換気の障害がつよく昏睡に陥るのは最重症だが,この中に3例の昏睡があつた。直ちにまず行なうべきものは気管切開で,最大径のチューブを入れる。これで死腔を最少にし分泌物を有効に除去し,切開前の動脈血O2飽和度15〜40vol%を切開後75vol%以上にしえた。チューブにはカフをつけておく。気道が確保できたらIPPBを行なう。これはBird valveかEng—ström呼吸気がよい。何れも抵抗が少く,吸気量調節ができる。N除去は有効に行なわれ,動脈血O2飽和度、CO2張力はずつと良くなる。15cmH2O 40%IPPB 48時間で,昏睡の患者もO2 96.5vol%,CO2量59.5%,PaCO2 46mmHg,pH7.40になしえた。こうした効果はIPPB開始1〜2時間で見られる。pH7.3以下,CO2張力65mmHg以上の患者では即刻,気管切開,IPPB施行が必要であろう。IPPBをよく理解することが必要で,最小吸気陽圧5cmH2Oが至適で,これで始め,やがてゆつくり10〜30cmにあげてゆく。必要あればモヒ注。空気流量を大にしすぎてはいけないので,10〜20l/minがよい。その効果の判定も動脈血O2で見るのがよい。できれば連続的に見ておきたい。
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