Japanese
English
原著
Heart-lever Systemによる心筋収縮力の測定
Measurement of Ventricular Contractile Force by Heart-lever System.
遊佐 津根雄
1
,
片岡 敬文
1
,
佐藤 和彌
1
Tsuneo Yusa
1
,
Yoshihumi Kataoka
1
,
Kazuya Sato
1
1東北大学医学部麻酔学教室
1Dept. of Anesthesiology, School of Medicine, Tohoku University
pp.591-595
発行日 1964年8月15日
Published Date 1964/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201352
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Ⅰ.緒言
心臓機能の一つとして,心筋が収縮に際して示す等尺性心筋収縮力(isometric ventricular con—tractile force,以下VCF)を直接測定する試みは,Walton19)らによりスプリングを使用した"heart-lever system"によつて,はじめて行なわれた。以後,各方面でVCFの測定によつて,各種薬剤の心筋に及ぼす影響が検討され1)3)4)5)10)11)12)13)17)18),また測定装置も改良されてきた2)8)。本邦では,生体内での心筋の各種薬剤に対する態度をVCFへの影響から検討した報告は少なく,麻酔領域では,斎藤15)らの報告があるに過ぎない。VCF測定装置には,両脚間の距離が実験中に固定されたもの,いわゆる"strain gauge arch"2)8)と,心筋に固定した両脚の距離を実験中任意に変える事ができ,かつその際の両脚間の距離を正確に読み取ることができる"heart-lever system"9)との二通りがある。斎藤らの報告は,前者つまりstrain gauge archによるものであり,これまでの報告の大部分もこの方法が用いられている。strain gauge archによつてVCFを測定する際の最も大切な条件は,拡張期における非伸展時の心筋の長さ(initial length)に実験中著変が起こらないということである。
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