特集 心不全のすべて―増え続ける心不全患者にどう対峙するか
Overview
収縮力の低下した心不全(HFrEF)の病態と疫学
世良 英子
1
1大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学
キーワード:
左室駆出率
,
神経体液性因子
,
リモデリング
,
予後
Keyword:
左室駆出率
,
神経体液性因子
,
リモデリング
,
予後
pp.11-15
発行日 2021年7月1日
Published Date 2021/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika128_11
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Summary
▪収縮力の低下した心不全(HFrEF)の発症・進展には,心拍出量や血圧低下に対する生体の代償機構であるレニン・アンジオテンシン・アルドステロン(RAA)系や交感神経系が賦活化されることが大きく関与しており,HFrEFにおける薬物治療の重要な目標は,これら神経体液性因子をコントロールすることによる左室リモデリングの抑制と予後改善である.
▪本邦における代表的な疫学研究の結果より,HFrEFを含む心不全症例の臨床的背景の欧米化が進んでいること,β遮断薬,RAA系阻害薬などの標準的心不全治療の実施が浸透してきていることが明らかとなっている.
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