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講座
血行力学解析の方法 (1)アナログ法の応用
Analytic Approaches for the Better Understandings of the Hemodynamics
沖野 遙
1
Haruka Okino
1
1北海道大学応用電気研究所,メデイカル・トランスデューサー部門
1Medical Transducer Section, Research Institute of Applied Electricity, Hokkaido University.
pp.320-327
発行日 1964年5月15日
Published Date 1964/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201316
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自然科学の知識は右に左にと揺られながら発展を続けている。科学常識として厚巻の書に自明の理のごとくに記載されていた事柄も,立場が変わると土台をむしばまれた楼閣のようにくずれてゆく運命にさらされる。この立場の意味するものはただ単に見解の相違というだけでなく,方法論の進歩によつて従来の考えの誤りが指摘されるという面も含んでいて,むしろ当然の帰結でもある。このような進歩発展は経験の集大成の上に立つてきた医学の面,生物学の面で最近特に目立つてきた。
しいて類似を求めるわけではないが,物理と電気との間には,抵抗,弾性,慣性等の事実を考える際に共通概念というか,相通ずる言葉があつて,それぞれの現象の期に相互の類似化(Simulation)が可能である。一方生体現象として生存のために刻々連続している複雑な現象が,物理学や化学の概念と全くかけ離れた特殊なものでないことはわかつていても,物理的な,まだ電気的な概念で説明するのに現在の知識だけでは対称が複雑にすぎることも事実である。これまでも色々の努力によつて両者間の歩みよりがなされてきたが,まだ識者の経験が尊重されている分野が多い。
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