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文献抄録
大動脈絞窄に伴う大動脈嚢形成—Ungewöhnliche Sackbildung im Bereich der Aorta thoracica bei eiuem Fall con Isthmusstenose.—Wenger, R.; Kriehuber, E.; Kotscher, E. & Gisel, A.: Ztschr, Kreislaufsforsch. 50 (17/18): 877〜888, 1961.,他作業
Ungewöhnliche Sackbildung im Bereich der Aorta thoracica bei einem Fall con Isthmusstenose.
pp.231
発行日 1963年3月15日
Published Date 1963/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201190
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大動脈峡部絞窄症では30%あまりが,他の心先天奇形を合併している。本報は46才婦人の大動脈峡部絞窄患者で,大動脈孤部上指の長さの円筒状嚢が出来たという珍らしいものである。患者は10年来大動脈絞窄症状あり。数年前本症を診断され,最近呼吸困難などを訴え入院。上肢血圧170/90,下肢血圧130/120。心は2横指左方に拡大。左II肋間最もつよい収縮期雑音あり。EKG左型,PQ 0.16秒,QRS 0.06秒,QRS分裂。VKGでQRS左背側。レ線で孤は左上背側に陰影を負い,拍動あり。大動脈撮影でその嚢状拡大なることを確めうる。峡部絞窄はいうまでもない。心血管撮影で上行大動脈と下行大動脈の間に異状の嚢状構造あり食道を圧す。梅毒性の動脈瘤とはWaR(−),Nelson Test(−),既往(−)で異つている。孤のKnick bildungでないことは血管造影で明らか。下行大動脈はひどく左方に偏つているので,どうしても上行大動脈から孤部にかけて生じた異常と考えたい。つまり正常人では消失している筈の右大動脈根遺残物の拡大か,あるいは大動脈根の間に横に吻合が生じて発生したか,何れかであろうとおもわれる。文献にこうした構造の記載はないらしい。
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