Japanese
English
特集 肺循環(2)外科領域
人工心肺
Pump-Oxygenator and Extracorporeal Circulation.
水野 明
1
,
吉竹 毅
1
,
野口 輝彦
1
,
亀谷 忍
1
Akira Mizuno
1
,
Tsuyoshi Yoshitake
1
,
Teruhiko Noguchi
1
,
Shinobu Kameya
1
1東京大学医学部木本外科教室
1Dept. of Surgery (Kimoto), Faculty of Medicine, University of Tokyo.
pp.161-174
発行日 1963年2月15日
Published Date 1963/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201183
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はじめに
人工心肺による直視下心臓内手術も今日では日常一般の手術と全く同様に行われるようになつたが,試みに本誌が発刊された1953年当時をふりかえつてみると,この年になつて,はじめて人工心肺による直視下心臓内手術が臨床的に成功している。即ち,長年人工心肺の研究を続けて来たGib—bonは同年5月6日,18才の心房中隔欠損症の男子に対して人工心肺による直視下心臓内手術を行い心房中隔欠損の直接縫合に成功した(文献上の発表は1954年1))。
次いで1954年になり北欧でやはり長い間人工心肺の研究を行つていたCrafoordは人工心肺に低体温を併用し,人為心室細動下に左心房腫瘤(Pseudomyxoma)の剔出手術に成功を修めた2)。1955年になりKirklinらはGibbon-Mayo型人工心肺装置を用いて4臨床例に成功した事を報じ3)翌1956年,交叉体外循環法4)によつて直視下心臓内手術に好成績を修めていたLilleheiらはReservoir Circulation5)をへて気泡型人工心肺を用いての5例の臨床成功例を報じ6),以後諸家の発表が続いた。一方低体温法による直視下心臓内手術もBigelowら7)の実験的研究が発展し,1953年Lewisら8)により最初の臨床成功例が発表されている。
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