文献抄録
Bronchiolo-alveolar carcinoma—Liebow, A.A. : Advances in Internal Medicine 10 : 329〜358, 1961,他
pp.13
発行日 1963年1月15日
Published Date 1963/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201169
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broncbiolar ca, alveolar cell ca,pulmonary adenomatosisなどと同義である,肉眼で見える気管支領域より更に末梢に原発するよく分化した腺癌で,気道・リンパ道性に肺内転移をつくりやすい。全肺癌の2%と見るのが妥当であるが,近時少しづつふえている。孤在の結節,多発した結節または瀰慢型の3型をとるか,結節型が60%を占める。孤在結節型は径4cm以下で上葉に好発,球形,境界鮮明だが被膜なく,灰黄—ピンク色,中心壊死稀。多発結節は転移癌に似た肉眼所見。瀰慢型は灰色肝変期の肺炎に似る。組織学的には一層の規財正しい背高い淡明の,粘液産生能ある細胞から成り,核は基底にあり,分裂像きわめて稀。間質少量。良性の像であるからadenomatosisといわれたのであろう。しかし中には好酸性のやや不規則細胞が鋸歯状に並ぶこともある。扁平上皮化生は稀。線毛を欠く。およそ半数は中に石灰化しpsammoma状を呈す。所属細気管支上皮は全く腫瘍細胞で置き代えられる。また細葉型の異型増殖はこの癌と鑑別困難のことがあり,そのしばしば見られるインフルエンザ・梗塞・Letterer—Siwe病などの際に,癌の起原かといわれる。少くとも肺胞癌が以上のような異型増殖を合併することは稀でない。肺胞癌の組織発生は細気管支の上皮からと考えられているが,肺胞上皮からこういう可能性も否定できない。
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