Japanese
English
原著
冠動脈造影法の研究
A study of Coronary Arteriography
村上 和
1
Shizuka Murakami
1
1千葉大学医学部第1外科学教室
1The 1st Dept. of Surgery, School of Medicine, Chiba University.
pp.779-786
発行日 1962年11月15日
Published Date 1962/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201154
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I.緒言及び文献的考察
冠動脈疾患の外科療法は従来心嚢癒着術,内胸動脈結紮術等,副血行路形成を目的とする方法が主に行われて来たが,最近,血管外科の進歩に伴い,冠動脈内胸動脈吻合術,血栓除去術等が試みられるようになり,冠動脈疾患部位とその拡がりを正確に知る必要上,安全で確実な冠動脈造影法が要望されるようになつて来た。1933年Rousthöiが初めて生体で冠動脈造影に成功してから,今日に至るまで,報告は多く,方法・装置,造影剤等も進歩しているが,その骨子は,末梢動脈から逆行性にカテーテルを大動脈起始部に挿入し,造影剤を注入,X線撮影を行うものである。
各報告にみる造影法の問題点は,1)カテーテル先端の位置をどこに置くか,2)造影剤注入を手動で行うか,ガス圧で行うか,3)撮影は一回撮影か連続撮影か,4)造影剤の濃度と量はどれ位が適当か,等の諸点である。
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