Japanese
English
綜説
外科臨床における心電図
Electrocardiography in Surgical Clinics.
正津 晃
1
,
平尾 正
1
,
田中 勝治
1
,
井上 雄
1
Shotsu
1
1慶応大学外科教室
1Surgical Department, School of Medicine, Keio University
pp.72-79
発行日 1962年2月15日
Published Date 1962/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201061
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はじめに
手術前に心臓の機能状態を十分に把握することは,特に重症者,高令者の手術を行うとき,あるいは大手術の予想されるときに重要であり,このためその一方法として通常心電図検査が行われている。従来外科手術と心電図との関係をしらべた報告はいくつかあるが,術前心電図と臨床所見との関係,あるいは手術予後との関係について総合的に調べた研究は少ないので,実際に診療を行うにあたつて余り参考にならない場合が多かつた。
われわれは慶大外科における過去7年間の手術症例のうち,術前心電図検査を行つたもの(2512例)について心電図と臨床所見,予後との関係を統計的にしらべ,外科臨床における心電図の意義について再検討を加えてみた1)。また術後心電図を追求して興味ある所見を示した症例について,その種類,原因について検討を加えた。ここにその結果の大要を述べ,また諸家の報告をも参照しつつ考察をすすめてみたいと思う。なお心臓外科の症例は特殊であるから,この統計から除外してある。
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