臨時増刊特集 日常役立つ診療技術
診断篇
III.循環器系疾患の診断技術
2.負荷心電図とベクトル心電図—負荷心電図
戸嶋 裕徳
1
1久大木村内科
pp.690-694
発行日 1970年5月20日
Published Date 1970/5/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402203116
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原理
病歴からは狭心症が疑われるが,安静時心電図にはなんら異常所見を認めないときに,負荷を加えて心電図学的に虚血性変化が出現するかどうかを確かめるものである.負荷の方法としては低酸素負荷,薬物負荷および運動負荷などがあるが、一般には運動負荷試験が用いられている.
運動の方法としては,古くは膝屈伸や階段昇降,Treadmill, Cycleergometerなどが用いられる.後者は運動量を正確に量的に把握できることに利点があるが,設備にかなりの費用を要し,いっでもどこでもできるというわけにはゆかない.この点Masterによる二階段昇降試験はきわめて容易に実施でき,性・年齢・体量に応じて昇降回数も規定されているので,ある程度量的な評価も可能であり,日常の臨床では最も便利な方法である.
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