Japanese
English
方法と装置
小児麻酔の際の循環・呼吸の管理
Management of the Respiro-circuratory Functions during Pediatric Anesthesia.
岩井 誠三
1
Seizo Iwai
1
1東京医科歯科大学医学部第2外科
12nd Depart of Surgery Tokyo Medical & Dental Univ School of Medicaine.
pp.35-42
発行日 1962年1月15日
Published Date 1962/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201057
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はじめに
小児の麻酔時において最も重要なことは患者の呼吸及び循環の管理で,特に学令期以前の小児においては呼吸・循環系全体の綜合的機能が未完成の状態にあり,年長児或は成人においては殆んど問題にならないわずかの障碍も重大な結果をまねき,手術成績を著しく悪化することがあるのは日常よく経験されるところである。
呼吸及び循環系の機能は複雑多岐にわたり,現在なお解明せられていない部分も多いが,その本来の機能であるところの生体が必要とする十分な酸素を外界より摂取し,これを絶えず身体各部の臓器,組織に供給すると同時に,組織の代謝産物の1つである炭酸ガスを唯一の排出器官である肺に運び,障碍なく外界に放出する一連の仕事で,この目的のために呼吸及び循環器系は密接な協同作業をおこない,各々を分離して考えることは意義がすくない。この意味で呼吸・循環の機能を1つにまとめ,生命の維持に必要な広義の呼吸機能と考え,その円滑な機能を発揮するには次の4つの因子が十分な機能を有する必要がある。即ち,
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