Japanese
English
診療指針
クロード・ベルナール病院における呼吸不全患者センター—そのポリオ治療を中心として
The Center of Respiratory Insufficiency of Claude Bernard Hospital
岡田 和夫
1
Kazuo Okada
1
1東大麻酔科
1Dept. of Anestesiology, University of Tokyo
pp.31-34
発行日 1962年1月15日
Published Date 1962/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201056
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.おいたち
ポリオを中心に急性呼吸不全患者の治療が我が国に於て関心を持たれている時,パリー大学の呼吸不全患者センターの様子を紹介するのも興味あることと思われ以下に概況を記す。
今日までヨーロッパに於けるポリオの呼吸不全型に対する治療はEpidemie毎に大きく進歩して来たようである。1946年のイギリスのEpidemieでCabinet-type Respiratorが開発され,1952年のデンマークの場合は2,722例のポリオが5ヶ月に発生し,その中の316例が呼吸不全型であつた。この時,Prof. Lassenのもとに急性期ポリオのCenterが出来,同国の麻酔医であるDr. IbsenによりTracheotomieを行い,Intermittent positive breathingを数週間と長期に続ける方法が案出されて成果をあげた。この時にはRespiratorが未だなく,医学生,看護婦等が昼夜交代でTo-and-Fro式でBagをおして人工呼吸を行つた。次いで1953年のスエーデンの流行ではEngström, Lundia, AgaなどのRes—piratorが考案され,デンマークで行われた気管内加圧をRespiratorで行つた。これらの流行で1)呼吸不全型のポリオは特殊のCenterに集中すべき事,2)これらのcaseの多くは従来の「鉄の肺」でなく,気管内加圧方式で救いうることが結論された。
Copyright © 1962, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.