Japanese
English
綜説
ポリオに於ける呼吸不全の対策
Treatment for Respiratory paralysis of Poliomyelitis.
黒須 靖
1
,
山下 九三夫
1
Y. Kurosu
1
1国立東京第一病院外科
1Dept. of Surgery, National First Tokyo Hospital.
pp.243-247
発行日 1961年4月15日
Published Date 1961/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200970
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呼吸麻痺を伴つたポリオ患者の治療は,その疾患が流行的に集団発生することからもきわめて重要な問題である。即ち米国に於てもポリオ患者の5—10%に呼吸麻痺の発生が見られ,最近の我が国の流行地に於ても10%近くの呼吸麻痺患者の発生が見られた。
ポリオの発生及び死亡は流行期によつて異なるが,米国に於ける最近10年間の罹患率は人口100,000人当り18.5%であり,死亡率は流行期で10〜20%といわれている。我が国に於ても1958年までの3年間の統計によつて死亡率は3.8%の高率を示している。これら死亡例の中には相当高率に呼吸麻痺によるものが含まれていると考えられる。これらの呼吸麻痺を伴つた重症ポリオ患者に対して如何なる対策をなすべぎか,我々過去10年間の呼吸麻痺を伴つたポリオ患者の治療経験を基礎としてポリオによる呼吸麻痺の対策を検討して見たい。
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