北大病院中央検査部心肺機能検査室

　我が北大病院中央検査部呼吸機能室は，昭和34年9月，主任長浜助教授が，つい先日来日されたSouthern California大学（Los Angels）H．　L．Motley教授の下で1年間心肺機能に関する広い研究を修められ，帰朝されると同時に先生を中心として，中央検査部と山田内科教室員から成る心肺機能研究スタッフを作り，34年11月から研究にスタートしたばかりの，ごく新しい歴史の研究室で，そもそもこの北大病院中央臨床検査部自体が未だ文部省の承認外にある為にその運営に予算措置がなされて居らず，専ら現小川病院長及び教授会，二水会（助教授と講師の会）の要望に応えて発足したものであつて，新設研究室であるが故の，種々の困難な問題が山積みしていることは，他の研究室の例外ではないが，本道に於ける心肺機能検査設備の必要性を痛感しておられる長浜助教授の熱意は，本学諸先生方の御協力を得て，スタツフー同の献身的な努力が少しずつ実を結び，ともかく開設僅か1年余りにして，研究室には，Benedict-Roth型Spirometer（9.0L, 13.5L各々1台）120 L Tissot's Spirometer，患者用Rocking Bed, Van Slyke検圧計4台，Scholan—der微量ガス分析装置3台，Waters製Oxime—ter（Ear oximeter　＆　Cuavette），Carnbridge製PH計，Motley式残気量測定装置，Helium　Closed Circuit　法による残気量測定装置（当研究室製），心臓カテーテル用レントゲン装置，Sanborn製電気血圧計及び平均血圧計（当研究室製），ビープを発する心電図ブラウン管オッシログラフ（当研究室製），IPPB装置（日本製2台，Bennet製1台）などの心肺機能検査設備がそろい，この内容は，すでにBuffa—lo大学Rahn教授をはじめとし，東北大抗酸研金上先生，慶大笹本助教授，横山，梅田先生，東大樫田，小池先生，名大森，鈴村先生，京都府立大三木先生ら心肺機能専門の諸先生方に御来訪いただいたところである。