検査室管理
京都大学病院中央検査部血液検査室の管理
星野 孝
1
,
富田 仁
2
HOSHINO TAKASHI
1
,
TOMITA SHINOBU
2
1京大病院中央検査部血液検査室
2京大病院中央検査部
pp.829-833
発行日 1963年11月15日
Published Date 1963/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542917001
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はじめに
臨床検査の進歩と普及は,近年における診断技術と治療面に大きな改革をもたらし,それに伴って各種の検査項目はさらに拡大され,その重要性も再認識されつつある。ほとんどの大病院や研究所においては,従来個々に行なわれてきた一般血液検査も中央化され,熟練した技術員によって一括して検査される状況となっている。従って検査成績の精度と再現性が向上し,患者の診断ならびに追跡に,信頼度の高い成績を与え得るようになった。ことに一般血液検査は,血液疾患のみならず,他のあらゆる系統の疾患においても,治療上あるいはスクリーニングの意味で,繰り返し頻繁に行なわれるべき検査項目として,きわめて重要な意義を有している。従って臨床担当医による血液検査室の利用は年々急速に増加しつつある。しかし他の臨床検査と同様に,一般血液検査も,簡単な操作にかかわらず,かなりの熟練と,綿密な注意力を必要とするため,検査成績の正確を期して技術員の質の向上とともに,管理面にたずさわる医師ならびに技術員の不断の努力が必要となる。
京都大学医学部付属病院では,昭和33年に中央検査部が創設され,以来血液検査室においても上記の要点に鑑み,迅速正確な検査成績を得るため,種々の努力が払われてきた。以下順を追ってその管理面について述べることとする。
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