Japanese
English
方法と装置
スペクトル心音図
Spectral Phonocardiography. (Spectrophonocardiography)
太田 怜
1
,
三科 大和
1
,
佐伯 博也
1
,
町井 潔
1
,
伊東 貞三
1
,
関口 寿
1
R. Ota
1
1東京大学田坂内科
1Dept. of Internal Medicine, Tokyo University.
pp.403-408
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200993
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I.緒言
音を表現するのに三つの要素,即ち,強さ,周波数,音色のあることは周知の事実である。心音にこれをあてはめていえば,例えば,僧帽弁狭窄の心尖部第1音は強盛であり,肺気腫の心音は微弱である。大動脈弁閉鎖不全の拡張期雑音は高調であり,僧狭のそれは低調である。音色となるとまさに千差万別で,吹鳴性,灌水様,転輪様,楽音様等,実に様々の形容がなされる。我々が聴診により心血管系の異常を診断するばあい,この3要素は何れも重要な手懸りとなるが,特に音色が根拠となることの多いのは日常経験する所である。
従来の心音図では,音の強さ,の時間的推移を知るのには充分であるが,周波数および音色の描写の点については稍々欠ける所があつた。スペクトル心音図はこの音色の描写と周波数分析を主眼として,Mckusick等によつて始められたものである。最近我々もVibralyzer (Kay Electric Co.)を用いたスペクトル心音図を利用しているので,その方法と装置の概要について報告する。
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