Japanese
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講座
CO2の問題(2)
The syndrome of alveolar hypoventilation.(2)
百瀬 達也
1
Tatsuya Momose
1
1東京大学上田内科
1Dept. of Internal Medicine, Tokyo University.
pp.381-387
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200990
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I.はじめに
生体内に生ずるCO2のほとんど大都分は肺からら排出されるから,生体内におけるCO2の生産量と肺からのCO2の排出量との不均衡が体内のCO2量に異常を来たす主因となる。肺よりのCO2の排出は,肺胞換気量によつて左右され,その異常は肺疾患による換気障害・呼吸中枢機能の低下・呼吸運動に関与する筋神経の障害等によつておこる。従つて臨床上これらのいずれかに障害を来たす疾患については,CO2に関する異常の有無を知つて,その疾患の症状・経過・予後等についての判断や治療対策をたてる上の資料とすることが極めて必要である。
CO2量の異常は臨床的には血液のCO2含量及び分圧を測定することによつて知りうるのであるが,この測定値の異常が,上記の如き障割こよる一次的な異常である場合と,さらに他の何らかの原因でおこつた酸塩基平衡障害の代償として現われた二次的な異常である場合もある。以下CO2のこのような異常を来たす場合について臨床的検討を行い,またその対策についていささかのべることとする。
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