Japanese
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文献抄録
不整脈の化学と生理—Levine, H. D.:,他
Certain aspects of the biochemiestry and physiology of arrythmia.
pp.380
発行日 1961年6月15日
Published Date 1961/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200989
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Med. Cl. North Am.44(5)1199-1213, Sept. 1960.
心筋電気生理を精しく述べて二三の臨床問題を取扱つている。臨床的な面だけを紹介する。不整脈原因のひとつにカリウム中毒がある。中等度なら房室ブロツクの第1度を示すが,もつと高度のAVブロツクは他の中毒症状で蔽われてしまう。ふつう徐脈となるので,徐脈からカリウム中毒を推察しうる。同時にpre—mature beatを見る。その原因は明かでない。心筋内伝導障害によるか。規則正しい洞活動に室活動不規則,房活動消失を見ることもある。多分房性頻搏か。室性postmature beat混入を見る場合もあつてpre—matureと間違いやすい。心室細動は島状に残る機抑制節線維にもとづくので,全部抑制されれば心停止となる。これは心臓手術に今日利用されている。カリウム欠乏による不整脈は中毒の場合ほど多くない。結節性調律,つづく期外収縮は稀でない。第1度AVブロツクは稀,出てもマトロピンで消える。糖尿病アシドージスのカリウム欠乏では房性頻搏を見る。人工腎臓でカリウムを透折してゆくと,心筋細胞膜外面と内面とのカリウム喪失が一致しないので,上室性頻脈ついで房および室性premature beat,細動,第2度AVブロツク等があらわれる。カリウム欠乏とジギタリス中毒と区別できぬこともある。カルシウム静注はジギタリス投与時に危険であることは周知のところである。
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