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心音図シンポジウム
心腔内誘導心電図分析による臨床胸部誘導心電図,特に右室曲線に就ての検討
Studies on the electrocardiographic analysis of the intracardiac lead, with special difference to the right ventricular curves.
緒方 豊
1
Yutaka Ogata
1
1京大前川内科
1Dept. of Internal Medicine, Faculty of Medicine Kyoto Univ.
pp.725-730
発行日 1960年10月15日
Published Date 1960/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200928
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緒言並に研究方法
臨床心電図の診断に際して最も困難を感じるのは前胸部右室曲線の理解である。前胸部左室曲線が左室心尖部を明らかに心外膜側から眺めた曲線であり,その理解は比較的容易であるに反して,前胸部右室側で得られる右室曲線は,その誘導電極と,対応する右室壁との解剖並に電気的位置関係から常に心外膜側から眺めたものであると言い切れず,心内膜要素も含まれる可能性がある故に,右室曲線の分析に疑義を生じ易いからである。この右室曲線成立の複雑性を,右心並に隣接血管の各所から得られる心電図を検討して解明し得ないであろうかと考えたのが本研究の発端である。前川教室で右心カシーター法を施行する際,カシーター先端に装着した心電用電極を利用して,右心並に隣接血管各部の単極誘導心電図を,その部の圧曲線のみならず,原則として,C1,C2で得られる右室曲線,及びC5で得られる左室曲線と同時記録し,別に撮影した肢,単極肢及前胸部誘導心電図と対照分析を行つた。肺動脈から肺動脈主幹を経て右室流出路まで,右室流出路から右室心尖を経て右室流入路まで,右室流入路から右房へ,等心電図変化のはげしい部位は引抜曲線(第1図)を利用して検討を加えた。分析に選んだ103例につき順次報告する。
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