徹底分析シリーズ 心電図Advanced—心電図の理解を一歩進める
心不全の心電図—12誘導心電図でここまでわかる
大島 一太
1,2
,
山科 章
3
Kazutaka OSHIMA
1,2
,
Akira YAMASHINA
3
1大島医院
2東京医科大学八王子医療センター 循環器内科
3桐生大学・桐生大学短期大学部 医療保健学部
pp.866-872
発行日 2022年9月1日
Published Date 2022/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.3101202331
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近年の高齢化で心疾患の患者は急増し,臨床医として働くならば誰もが遭遇する時代となった。外科手術の適応年齢も高齢化し,特に慢性心不全患者に麻酔をする機会も増えている。心不全は症候を主とした病態名であり,疾患名ではない。このため心不全の心電図は,原因となる疾患によって大きく異なる。心電図は簡便かつ非侵襲的に繰り返し記録できるため,心不全における基礎疾患の診断だけでなく,改善と増悪を繰り返しながら徐々に悪化し,治療抵抗性の末期心不全へと進行する長期経過の病態把握にも優れている。心不全は患者を中心とする包括管理によって,著しい予後改善が期待でき,実臨床では多岐にわたる診療科目の連携がきわめて重要となる。
本稿では,どの診療科目で働く誰もが判読できるとよい心不全の心電図について概説する。
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