Japanese
English
心音図シンポジウム
異常T波に関する研究—左室拡張とT変化について
Studies on the Abnormal T Waves.: Left Ventricular Dilatation and T changes
戸嶋 祐徳
1
,
森 文信
1
Hironori Toshima
1
,
Fuminobu Mori
1
1久留米大学医学部木村内科
1The medical Clinic of Kimura, Kurume University, Medical School
pp.705-723
発行日 1960年10月15日
Published Date 1960/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200927
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.緒言
従来所謂左心室側の胸部誘導心電曲線におけるT波の平低化或は陰性化は,Barnes及びWhit—ten1)がventricular strainと名づけて以来,Goldberger2),Sokolow-Lyon3),Wilson4)Katz5)等により左室肥大の所見の一つであると考えられて来た。
しかし乍ら,剖検例との対比において肥大のない例にも所謂strain型の変化を認める事が多く,Selzer6)は肥大のない17例中7例41.2%にV5,6のT平低乃至陰性化を,村上,西原7)は23例中10例43.5%に同様の所見を認め,左室肥大の診断基準としては極めて高い偽陽性率を示す。これは,一般的にT波が心筋の変化を非特異的にしか反映しない事からも容易に想像しうる事である。
Copyright © 1960, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.