Japanese
English
方法と装置
体外循環,特に人工心肺装置についての考察
Considerations of Extracoporeal Circulation.
卜部 美代志
1
,
疋島 巖
1
Miyoshi Urabe
1
,
Iwao Hikita Shima
1
1金沢大学医学部第一外科教室
1Department of Surgery, School of Medicine, University of Kanazawa.
pp.263-270
発行日 1960年4月15日
Published Date 1960/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200877
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緒言
人工心肺装置を用いて体外循環を行つた際に生体がいかなる影響をうけるかとの問題については,既に多数の研究者らによつて多数の報告がある。ここで生体の灌流によつてもたらされる影響,術後経過については,灌流量,血液諸性状,灌流時間が常に問題になるところであるが,さらにこの研究の基礎をなす人工心肺装置の性能を充分に考慮に入れて判断しなければならぬ。そこで本篇においては私共の扱つている人工心肺装置の構造とその性能について主として述べることにしたい。
人工心肺装置は各部分の結合体として性能が判定さるべきものではあるが,話を進める都合上,人工心臓,人工肺臓,除泡装置,濾過装置及び結合回路の5つの部分に分けて考察する。これらの部分は4個がすべて優秀なものであつても他の1個が低性能のものであれば,組立てられた人工心肺装置は不良なものとなる。例えば優れた人工心及び人工肺を用いてもその際に適合した除泡装置が組合わされなければ,空気栓塞を結果することを免れない。同様なことが濾過装置あるいは結合回路についてもいえる。
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