巻頭言
手術のコツ
河合 直次
pp.3-4
発行日 1960年1月15日
Published Date 1960/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200848
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手術の目的は,内科的に治癒する見込のない病気を手術によつて治療し,しかも術後に障害を残さないことである。そこで,手術のコツといえば,手技の上手下手でなくて,適応の適否にあることは,度々述べたところである。
手違いなく上手に手術することの大切であることに異論はない。手技に過ちがあつて手術の結果をわるくするようなことは避けなければならないことは当然である。ところで心がけねばならぬことは,手術の際に,手術が早いとか,手術創が小さいとか,手さばきがたくみであるとか,その他いろいろ外観上の優秀さにとらわれてはならないということである。要は手術の総合的結果がすぐれていることを望むべきである。
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