Japanese
English
診療指針
潜函病とその治療法
Caisson disease and its treatment
梨本 一郎
1
Ichiro Nashimoto
1
1東京医科歯科大学医学部衛生学教室
1Dept. of Hygiene Tokyo Medical and Dental Univ. School of Medicine
pp.989-1000
発行日 1959年11月15日
Published Date 1959/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200831
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
I.まえがき
水中或は湧水の多い場所で,人は圧縮空気を使用し,水を排除して作業するか(潜函作業),呼吸管により水圧に等しい圧縮空気を送られ,それを呼吸しながら作業する(潜水作業)。一般に水深10mごとに1kg/cm2(約1気圧)の水圧が加わるといわれているので***,少々深い所でも地上の何倍かの圧力をうけるわけである。その間,大気圧より高気圧への加圧,また高気圧中の滞在,それに高気圧より大気圧への減圧という段階を経る際,人体は種々の作用を受ける。
これら高気圧による障害は,各種の症候を発生し(第1表)いずれも興味深い研究対象であるが,その詳細については著者がさきに発表したので参考文献7)を参照して頂くとして,今回は高気圧障害中でも,比較的重症状に属し,治療面でも特殊の考慮が必要な,肺の破裂と潜函病に焦点を合せよう。
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.