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綜説
Pre-excitation Syndrome(WPW症候群)について(I)
Pre-excitation Syndrome (WPW Syndrome)(I)
上田 英雄
1
,
行木 秩父
2
H. Ueda
1
,
C. Nameki
2
1東大上田内科
2慈恵医大第一内科
1Ueda clinic of Tokyo University
2Takahashi clinic of Tokyo Jikeikai School of Medicine
pp.668-685
発行日 1958年9月15日
Published Date 1958/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200667
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まえがき
心筋の興奮伝導様式に関する研究で,現在最も広く信ぜられている心電図解釈の理論は,1933年Wilson1)により樹立され,1944年2)に臨床的価値の確立された二重層説(doublet theory)である。この二重層説は心電図QRSの説明には極めて有利であり,今日尚心電図学者の大部分はWilsonの二重層説を継承している。しかし心電図上P-Rの異常短縮とQRS幅員の延長及び心室群初期動揺の起始部にDelta波を伴つた奇怪な形態を示す所謂Pre-excitation Syndrome(WPW症候群)について多数例の臨床統計的心電図学的観察を行つた報告は極めて少ない。その代表的な報告例はWolff,Parkinson,Whiteによる11例(1930年),Wolff及びWhiteによる52例(1948年),Öhnellによる70例(1946年),Willius及びCarryerによる65例(1944年),Hunter,Papp及びParkinsonによる19例(1940年)である。本症候群にっいては1915年Wilson4)の報告以後,欧米に於て約300余例,わが国では1936年岩崎,藪本5)の報告以後約100余例が報告されている6〜25)。
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