Japanese
English
綜説
Pre-excitation Syndrome(WPW症候群)について(II)
Pre-excitation Syndrome (WPW Syndrome)(II)
上田 英雄
1
,
行木 秩父
2
H. Ueda
1
,
C. Nameki
2
1東大上田内科
2慈恵医大第一内科
1Ueda Clinic of Tokyo University
2Takahashi Clinic of Tokyo Jikei-kai School of Medicine
pp.828-846
発行日 1958年10月15日
Published Date 1958/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200685
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
VI.WPW症候群の発作性頻拍について
本症候群に於ける臨床的特微の一つとして50乃至70%61)に認めうる発作性心頻拍症があるが,本研究例に於ても確実に頻拍発作の既往を有する者が21例(58.4%)に認められ,その内心電図上頻拍発作を捕捉し得た者は5例である。斯様に全症例の半数以上に於て頻拍発作が認められるが,実際に臨床的に頻拍発作を捕捉し難いことは後述の如く,本発作が比較的簡単に停止する傾向のあること,又発作の持続時間が多くの場合短時間であること,患者それ自身が平常動悸以外には重大な心愁訴を有せず従つて重症な心疾患と考えていないことなどのためと考え得る。実際日常臨床に於ては発作の持続時間が遷延し,不安焦躁感に陥り或いは心不全に陥り来院する場合である。これら21例の者についての詳細は第XIII表に示す通りであるが,頻拍発作乃至頻脈を最初に経験せる年令についてみると(第XII表),10才台6例,20才台6例,30才台2例,40才台4例,50才台2例,10才以下1例で10乃至20才台が最も多く28.6%で全症例の過半数12例(57.2%)が青少年期に於て已に頻拍発作の初発が認められる。
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.