Japanese
English
綜説
ミオカルドーゼの臨床
Clinical Aspects of Myocardosis
原 亨
1
,
関 一郎
1
,
南隅 毅
1
Kyo Hara
1
,
Ichiro Seki
1
,
Takeshi Nangu
1
1大阪医科大学内科学教室
1Department of Internal Medicine, Osaka Medical College
pp.292-301
発行日 1958年4月15日
Published Date 1958/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200614
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I.ミオカルドーゼの概念
a.心筋障害群におけるその位置
F. Wuhrmann (1939)1)は心筋炎の研究にさいして非炎症性の独立性心筋障害の存在を認めた。すなわち剖検上高度の心拡張を呈し,心筋組織には一次性の炎症像がなく,筋線維の膨化萎縮・結合線維化などを主変とする症例に注目し,丁度Nephritisに対応するNephroseのごとくに,Myokarditisに対応してMyokardoseなる語を用いた。Wuhrmann (1950,1952,1956)1)2)は更に蛋白化学的研究に基いてこの非炎症性心筋障害の研究を推進した結果,血清蛋白失調症(Dy—sproteinamie)が長期に亘つて持続する場合に起り易いので,蛋白失調血性ミオカルドーゼ(Dy—sproteinamische Myokardose)と称し,且つこれが肝疾患の場合に起り易いので,このものを肝原性ミオカルドーゼ(Hepatogene Myokar—dose)とも称しておる。
ミオカルドーゼの心筋障害群における位置をみるために,心筋障害をその発生形式にしたがつて分類すると,次のごとくになる。
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