Japanese
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講座
先天性心疾患の診断に就て
Diagnosis of the congenisale Marformation of the heart
磯田 仙三郎
1
Senzaburo ISODA
1
1東京女子医大
1Dept. of Internal Medicine Tokyo Womens Medical college
pp.841-848
発行日 1956年12月15日
Published Date 1956/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200440
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1.緒 言
小児期の心疾患必しも先天性異常とは限らない後天性疾患即ち弁膜症も心嚢症も心筋炎等もあり旦の他機能的雑音を呈して心疾患と紛らはしいものもある。故に診断に際しては此等の鑑別をして後始めて先天性心疾患の診断を下す事が必要である。先天性心疾患である事が判明した以上は如何なる病型の先天性心疾患であるかを診断しなければたらない順序となる。処が此先天性心疾患はその異常個所が1つのものから数種混合して居るものまで種々あつて臨床上これを確実に診断する事は仲々難しい業である。従来よりも種々の検査法が案出されて臨床診断に便宜となり従前よりも異常個所をつき止め得る様になったけれどもそれでも臨床上確実に診断し得るには余り複雑な異常を有する心疾患が少くない。剖見して見ると案外な事がある。
従つて臨床診断の確実性を増すためには臨床的によく観察し検査した例を剖検乃至は手術によつて病変を確め得た例に就て臨床所見を再検討する機会を多く持つ事が必要であると考える。依つてこれから述べることも出来るだけ剖検又は少くとも手術所見によつて確め得た例症に基くよう努めるつもりである。
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