Japanese
English
症例
大動脈弁閉鎖不全症の一剖検例—特に肺血管系の樹脂鋳型標本所見に就いて
One Autopsy Case of Aortic Insufficiency Observation on the Resin Cast of Pulmonary Vascular System
細川 修治
1
,
内野 文弥
1
S. HOSOKAWA
1
,
F. UCHINO
1
1山口県立医科大学病理学教室
1Department of Pathology, Yamaguchi Prefecture Medical School
pp.513-519
発行日 1956年6月15日
Published Date 1956/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200387
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肺血管系の研究は,機能的方面では心カテーテル法,形態学的には造影剤注入後のレ線写真,合成樹脂鋳型標本の作製等の新しい研究方法の利用によつて長足の進歩を遂げ,多くの業蹟をおさめるに至つたが,心疾患に於ける肺血管系の形態学的研究は比較的少く,僧帽弁狭窄症に於けるParker & Weiss (1936)1)の詳細な組織学的研究を始めとしWeich & Kinney (1948)2),Liebow & Hales (1945)3),Tobin (1952)4), Holmon et al,(1953)5),Smith et al (1954)6),O'Neal et al (1955)7)により報告されている。樹脂鋳型標本の観察を行つたLiebow, Tobinの研究以外は,血管走行の変化及び各血管の相互関係に就いては尚不充分な点が多い。
最近我々は大動脈弁閉鎖不全症の1例を剖検し,肺血管系の鋳型標本を作製して,各血管の形態学的変化並びに各血管系の相互関係に就いて検索し,組織学的所見と対比して興味ある所見が得られたので報告する。
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