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緒論
原因の如何を問わず肺内ガス交換廃絶が起つた場合,その肺領域の固有肺動脈血流が杜絶し,気管支動脈吻合枝の発達により,気管支動脈血流に置き換えられることは,既に内外の諸家によつて組織解剖学的にも証明せられていることである。しかしてこの事実は,肺障害部分の位置・大きさとは無関係に見られる1)2)3)。しかし,これに対してその健常部分の肺循環,特に肺血量が如何に変動し,また如何なる意義を有するかについては,諸家の動物実験成績を若干知るのみで,未だ不明の点が少くない。特に臨床例について,気相,血液相の相関的観察により肺血量の研究を行つた例は浅学にしていまだこれを知らない。
前報において私は片側全葉無気肺における臨床的実験的予備観察の成績を述べた。即ち患側肺固有肺動脈血流は杜絶し,健側肺肺血量は増加し,時に平均循環時間の遅延を伴う。しかし,これらの変化は健側肺気相面の変化と並行して起る。なお目的論的に言えば,これらの事実は,健側肺における代償性変化と考えられる。
It has already been reported in the previouspapers that increased P B V and prolongedM C T are found in unilateral total atelectasisand that these changes seem to have a certaineffect on efficiency of O2 uptake by pulmonaryblood flow. But it has been left unexamined,if these changes are common findings throughall the cases with disturbance of intrapulmo-nary gas exchange of various type.
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