Japanese
English
綜説
本態性高血圧症—特に臨牀的病態に就て
Essential Hypertension
操 坦道
1
,
古川 一郞
1
Tando MISAO
1
,
Ichiro FURUKAWA
1
1九州大学医学部第一内科教室
1First medical Clinic, Faculty of Medicine, Kyushu University
pp.604-612
発行日 1955年10月15日
Published Date 1955/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200289
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
1.緒 言
ここ数年間の医学の進歩,特に抗生剤の目ざましい進展により,残された大きな課題は高血圧症に関する対策と思われる。高血圧を一つの随伴症状として現わす疾患,又はその高血圧そのものを唯一の本質的症状として現わす疾患など,高血圧を中心とする多くの疾患があるが,それに就てはMerrill1),Dexter2),佐々3)等により精しく分類されている。然しここで私共が取りあげる疾患は高血圧をもつ疾患の約90%を占め,かつその成因と本態について今日なお多くの疑問を残す,細動脈性の疾患とされる本態性高血圧症である。
そもそもその疾患名については1911年にFrankが初めて本態性高血圧症なる名称を用い,その後Volhard, u.Fahr4)の歴史的な論説によりそれに良性と悪性の異なる2つの経過があることが明らかにせられ,今日では国際的にもその疾患名が採用され,更にそれは良性,悪性に大別されている(1947)。
Copyright © 1955, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.