Japanese
English
文献抄録
1側肺の低酸素呼吸下における肺血流量,他
Blood flow thronth each lung in man during unilateral hypoxia.
pp.542
発行日 1955年9月15日
Published Date 1955/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200277
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一般に酸素含量の少い空気を呼吸すると肺動脈圧が上昇する。この機構を分析する為にBronchospiro—metryにより1側肺には25%乃至33%のO2を含むN2を,他側には大気を10分間,其後10%O2を25分間吸入させ,肺動脈に入れたカテーテルで圧を測り又混合静脈血と動脈血からFick法により,各側の肺血流量を調べた。1側肺に25.33%O2を吸入させるのは物理的に溶存するO2量を余り増さずにその肺の静脈血を100%飽和させて(Cpvo2=Ca—pac.ao2) Fick法を適用できるようにするためである。
肺全体としての換気量,酸素摂取量,炭酸排泄量は,1側肺を低酸素下においた時も変らないが,その肺については酸素摂取量減少,炭酸排泄量不変の為RQが増加(1.35)し他側では酸素摂取増加,RQ減少(0.66)がおこる。肺血流量と肺動脈圧は両側共殆ど変らない。この実験でFick式が使えるかどうかの考察も行い。1)低酸素血症は軽い。(Sao2=91%),2) Cvo2やVo2の変化は少い,3)呼吸・循環・代謝の状態はsteadyといえる為に適用しうる事を知つた。又,肺血流や換気が不変でありながら,酸素摂取が1側で増し,1側で減る事は,酸素拡散能(DLO2)は大体一定であるので,平均肺胞一肺毛細管酸素分圧勾配(meanΔPo2)によることを確めた。
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