Japanese
English
綜説
赤血球呼吸と臨床の一面—赤血球呼吸病理に関した主な知見と私共の成績から
Clinical Aspect of Erythrocyte Respiration.
舘石 叔
1
Shiku TATEISHI
1
1京都府立医科大学
1Medicine, Kyoto Prefectural Medical College
pp.532-542
発行日 1955年9月15日
Published Date 1955/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404200276
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血液を赤血球,白血球,血小板等を有形成分とし,血漿を液状成分とする一種の流動性な組織と考えてみると,血液なる流動性組織としての重要性は,その中に含まれる赤血球を中心とした諸成分に直接又は間接に密接なつらなりを持つている。この血液の流動性がその中に含まれる諸成分と共に血液の重要な機能を営む上に必須のものであることも他言を要しないが,ここでは主として血液の有形成分として量的にも質的にも主役を演じているものと考えられる赤血球を取上げて殊にその呼吸の面について述べてみることにしよう。
血液中における酸素は殆んどその大部分が(一部物理的に溶存しているが) Hbと化学的に結合状態にあるものとみて差支えなく,この酸素が必要に応じて諸臓器組織の呼吸に消費され,該細胞の生活機転の大部分が規制されているわけであつて生体の生命維持とか発育上絶対的に必要な条件と解されよう。
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