特集 免疫学的検査の進歩
Ⅲ.自己免疫疾患・アレルギー
赤血球
阿部 帥
1
1筑波大学臨床医学系・内科
pp.1205-1208
発行日 1979年11月1日
Published Date 1979/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542915266
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後天性溶血性貧血が,患者赤血球に自己抗体が結合して発症することは1946年にBoormanらによって明らかにされた.この自己抗体は生食水中で赤血球を凝集させる能力がなく,非定型抗体または不完全抗体と呼ばれている.その検出法は一般にCoombs試験と言われ,本疾患の診断はもちろん,原理は広く自己免疫疾患及びアレルギー疾患の診断ないし研究に重要な位置を占めている.今日Coombs試験は広域スペクトルの抗グロブリン血清のみならず,各種免疫グロブリンや補体成分に対する抗血清も用いるので,抗グロブリン試験と呼ぶほうがよいとされている.
ここでは,抗グロブリン試験1〜3)を中心に赤血球の免疫学的検査法について述べたい.
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